来年春の診療報酬改定に向けた中央社会保険医療協議会(中医協)の議論で、院内調剤の評価の在り方が論点となっている。きっかけは、かかりつけ薬剤師がいる薬局で調剤した場合と院内調剤の場合とで、報酬に6倍超の差があることを示す厚生労働省の資料だ。CBnewsでは読者アンケートを実施し、院内調剤の報酬引き上げの賛否を聞いた。【佐藤貴彦】
調査は、4月6-21日にインターネット上で行い、薬剤師100人から回答を得た。回答者の勤務先はグラフ1の通り。院内調剤の評価の在り方のほか、かかりつけ薬剤師の評価についても尋ねた(かかりつけ指導料、算定するのはどんな患者?)。
■敷地内薬局などの現状を紹介するはずが…
院内調剤の評価にスポットが当たったのは、中医協が3月29日に開催した総会だった。この日は調剤報酬をめぐる議論の1回目で、厚労省は薬局を取り巻く現状などを紹介。その中で、7日分の解熱鎮痛剤などを外来患者に調剤する場合の報酬を図解した=図1=。
さらに、医療機関の敷地内にあって、患者が直接行き来できる「敷地内薬局」を、昨年10月に解禁したと説明。その上で、薬局などのタイプ別に機能の差を比べた図を提示した=図2=。
図1と図2を併せて見ると、医療機関の前にある門前薬局と敷地内薬局との間に、一定程度の機能の差があるにもかかわらず、報酬体系が同じだと指摘しているようにも感じられる。しかし、中医協委員が注目したのは、敷地内薬局の評価とは全く別のポイントだった。
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