【株式会社メディチュア代表取締役 渡辺優】
■1日時点で評価される「病院情報の公表」
2016年度の診療報酬改定では、機能評価係数Ⅱの保険診療指数の項目として「病院情報の公表」が追加され、17年度から評価されることとなった。この「病院情報の公表」は、12年度診療報酬改定を検討する中で、機能評価係数Ⅱの追加項目として、診療情報の提供や活用等、診療の透明化や改善の努力に対する評価を目的に検討が進められた。検討がスタートしてから実際に項目の追加を決めるまでに、かなりの時間を要した理由は定かではないが、評価内容の性質上、緊急性を有するものではなく、優先順位はさほど高くなかったのではないか。
■病院への指示から評価まで驚くほど短期間
病院情報の公表は、検討開始から導入決定まで長い歳月を要した。にもかかわらず、国が実際の指標に関する集計条件や作業手順の案を示したのは、公表期限のわずか2カ月弱前の8月10日の事務連絡であった。短期間での対応は、多くの医療機関にとって大きなストレスだったと聞いている。検討期間の長さを考えると、現場に負担を強いる無計画さには憤りを感じる。なお、全病院が一律で評価されるのをよしとせず、ふるい落としの意味で、意図的に評価までの期間を短くしていたのだとしたら、あきれて物が言えない。
病院情報の公表の目的の一つに、各病院でデータ分析を行う人材の育成を挙げているのであればなおのこと、作業手順の指示から評価まで十分に時間を取るべきだったのではないか。
次回配信は10月19日5:00を予定しています
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