【吉備国際大学 保健医療福祉学部 作業療法学科 准教授 京極真】
前回(「患者からのクレームに対応するには?」)と前々回(「主治医とスタッフで意見が合わないときは?」)では、人々の意見が異なるために生じた信念対立のケースを基に、その対応法を論じてきました。
今回は、この 共通法則 について解説します。これに基づいた対応は、実践のハードルが非常に低く、その気になれば誰でもできます。多職種連携を邪魔する信念対立が起きたときに役立つアプローチ方法ですので、ぜひ参考にしてください。
また、後半では、実践を支える 「信念対立解明ツール」 について解説します。以下のリンク先から無料でダウンロードできますので、ご準備のほどよろしくお願いいたします。
【信念対立解明ツール無料ダウンロード】
http://ai.sys.wakayama-u.ac.jp/belief/
■ポイントは背景にある「状況と目的の整理」
結論から言うと、「状況と目的の整理」が、意見の違いによって生じる信念対立の解明に役立つ共通法則になります。
一般に、意見は何らかの状況と目的の下で生成されます。そのため、異なる意見がぶつかったとき、その背景にある状況と目的を整理できれば、折り合いを付けやすくなるのです。
意見が対立していると感じたら、 「状況と目的の整理」 をきっちりやるようにしてください。
これが、多様な意見を了解できる「土台」を提供してくれます。不明瞭だった立場(状況と目的)の違いが整理できると、「いろんな意見があり得るのだ」「あー、そういう意見もあるよね」という感覚を持ちやすくなるのです。
次回配信は10月28日5:00を予定しています
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