【株式会社MMオフィス代表取締役 工藤高】
先日、中央社会保険医療協議会(中医協)の入院医療等の調査・評価分科会では、中間取りまとめが提示された。その内容を踏まえて2016年度診療報酬改定を推測すると、7対1入院基本料の算定病床における「重症度、医療・看護必要度」の厳格化は、厚生労働省のさじ加減ひとつで影響範囲が大きく変わることが想定される。
仮に基準が15%から20%に引き上げられれば、相当の病院で医療機能・病床数の見直しが必要となるだろう。これに加えて、A項目を3点以上にするなど単独で評価し、B項目の点数を問わないことや、A・B項目自体の見直し(モニタ類や認知症等)が行われれば、その影響を正しく想定するのは難しい。しかし、自院の経営への悪影響を抑えるには、改定の影響を把握し、適切な病床機能編成について検討することは避けて通れない。14年度改定以降、想定よりも7対1病床数が減らず、10対1や地域包括ケア病床に切り替わらなかったことからも、次回改定では相当厳しくなることが想定される。その厳しさの度合いは7対1をいくら減らすのかという定量的な数字ありきで決まってくるわけだ。
それ以外では、総合入院体制加算の化学療法4000件等の条件を満たすことが困難なことや、地域包括ケア病棟の手術料はわずかながらも算定されていることなどが示された。14年度改定で新たに導入された短期滞在手術等基本料3については、多くの対象疾患で順調に算定されていることから、対象となる疾患の拡大が見込まれる。
次回配信は9月16日5:00を予定しています
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