【株式会社MMオフィス代表取締役 工藤高】
本年3月4日付、ちょうど50回目の本連載で、厚生労働省からの2015年度DPC機能評価係数Ⅱ内示資料において、後発医薬品係数の最大値に達している病院が300病院以上あることを取り上げた( 現在、後発医薬品60%超病院が5割以上か )。
多くの病院で後発医薬品への切り替えを進めている状況を踏まえると、現時点で数量ベース60%を超えている病院は全DPC病院の5割以上に達していることもかなり確実性の高い推測と言えるだろう。これらを踏まえて後発医薬品係数は、次回の診療報酬改定で上限60%の引き上げが十分あり得ることや、“アメからムチ”への転換でペナルティーとしての減算になる可能性も考えられると述べた。最後には、DPC病院において後発医薬品への切り替えは継続的課題であり、財務省マターの医療費抑制が国家的課題であることから、後発医薬品推進のハシゴは、次回改定ではまだまだ外さないだろうとまとめた。
厚労省では、4月27日に診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会を開催し、次回改定に向けた来年度のDPC制度に関する議論が始まった。この分科会が開かれた27日のほぼ同じ時間に、財務省の財政制度等審議会財政制度分科会では、主計局から提出された社会保障に関する資料を基に議論が行われた( 財務省、後発薬80%へ目標引き上げを-財政審分科会に提案 )。この資料を読めば、財務省が医療費抑制に向けた課題を示し、全方位的に取り組みを促していることが理解できる。もはや厚労省の一存で後発医薬品推進の手綱を緩めることなど許されないだろう。
図1 財務省主計局が財政制度分科会に提出した社会保障の資料、保険給付の範囲の見直し(総括)
財務省財政制度等審議会財政制度分科会(2015年4月27日開催)資料
https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia270427/01.pdf
から引用(図2、3も同様)
次回配信は5月27日5:00を予定しています
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