【株式会社MMオフィス代表取締役 工藤高】
いよいよ10月1日に病床機能報告制度がスタートする。初年度分は7月1日現在の状況を報告することになっている。まず、初年度は病院単位で「医療の内容」、そして病棟単位で「構造設備・人員配置」等を報告する。医療機能は、高度急性期、急性期、回復期、慢性期からの選択となる。届け出に関する詳細はこれから通知される予定だが、ケアミックス型の病院では、選択によって何らかの制約が生じないか、不安になっているところも少なくないだろう。
そして、これらの報告に基づき策定されるのが地域医療ビジョンである。厚生労働省が全国津々浦々の事情をくんで、医療政策に反映させるには限界がある。その地域の実情に応じた医療設備や人員確保等の医療提供体制については、それぞれの地域で練ることとなる。地域医療ビジョンの細かな中身についても、これからガイドラインが策定されるが、実際のスタートは2015年度である。
今回は、公開されているDPCデータから、都道府県の枠を超える大きな患者移動を可視化し、地域医療ビジョンで考慮すべき点がないか検討してみたい。
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