【株式会社MMオフィス代表取締役 工藤高】
2014年度診療報酬改定でDPCの機能評価係数Ⅱの中に後発医薬品係数が加わった。これにより、経営的なインパクトが生じたことももちろん重要だが、さまざまな病院の診療内容をデータ等で見ている立場としては、後発医薬品の使用状況が白日の下にさらされることで、何かしら対応をせざるを得ない病院が出てくるとみている。
例えば、国が後発医薬品の使用を推進しているにもかかわらず、国立病院系の施設で後発医薬品の導入・使用が進んでいないところは、これまで通りというわけにはいかないだろう。また後発医薬品の使用推進は、病院単独の取り組みではなく、地域のクリニックや連携病院と足並みをそろえることが重要である。データからこのような地域性を見ることができるのも興味深い。
■使用割合(数量ベース)の評価上限60%をクリアしたのは189病院
表1 後発医薬品指数の計算方法
当該医療機関における入院医療で用いられる薬剤について、後発医薬品の数量シェア(=[後発医薬品の数量]/[後発医薬品のある先発医薬品の数量]+[後発医薬品の数量])により評価。
(※数量とは、薬価基準告示上の規格単位ごとに数えた数量をいう)
※数量ベースで60%を評価上限とする。 厚生労働省保険局医療課 2014年度DPC参加病院説明会資料より引用
後発医薬品の評価における重要なポイントの一つ目は、分母から後発品が発売されていないもの(先発医薬品しかないもの)を除外した点である。
これまで多くの医療機関のデータを比較してきた経験上、がん専門病院や大学病院での先発品の多さは致し方ないと感じていた。実際、「うちが後発品ばかりを使うようになってしまったら、大学病院の看板を下ろす」とまで言う大学病院の医師もいた。それは、先発品しかない薬剤の使用が多いことは、先進的な医療をしていると考えているからに違いないが、今回の評価式では、それらを含まないような評価となっているため、たとえ、がん専門病院や大学病院であっても、「後発品のあるものは切り替え検討を」ということだ。
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