【株式会社MMオフィス代表取締役 工藤高】
■平均在院日数は順調に短縮、この傾向は継続する想定
医療機関では4月に入り、新点数での診療報酬算定・請求が始まった。3月末までに出るといわれていた疑義解釈は3月31日付で、厚生労働省のホームページには4月1日に掲載された。3月上旬の説明会で300ほど出てきた質問項目の回答は、通知文書と疑義解釈を通じてと理解していた現場では、非常に不安なまま4月に突入してしまった。
2年に1度の診療報酬改定は決まっていることなのに、これほどまでに疑義解釈の発出が遅れたのは、2014年度改定が大変更による「ふるい落とし」をしているからにほかならないだろう。7対1入院基本料だけではなく、回復期リハビリテーション病棟入院料1や、ICU(集中治療室)やHCU(高度治療室)など多くの入院料が、重症度、医療・看護必要度の変更によってハードルが高くなっている。財務省マターの医療費抑制策によるものだが、現場における医療の継続性や人材雇用の継続性という点での配慮は完全に無視されたと言っていい。
一方、DPC/PDPS制度は、大きな変更は再入院のルール変更くらいで、疾患別の階段状の点数設計には大きな影響がなかった。DPC導入から約10年、順調に在院日数が短縮してきたことは=グラフ1=からも明らかで、その勢いはとどまることを知らず、まだまだ短縮しそうである。この在院日数の短縮には、DPCが逓減制の点数設計になっていることに加え、機能評価係数Ⅱで効率性の評価がなされていることや、急性期病棟以外への転棟・転院を促す看護必要度や平均在院日数のハードルが設定されていることも寄与しているだろう。
今回の診療報酬改定で、7対1入院基本料の看護必要度のハードルが非常に高くなったことから、平均在院日数はより一層短縮することが想定される。
そこで、今回の改定により、算定方式Dに移行した狭心症の心臓カテーテル検査について詳しく見ながら、DPC制度の今後を考えてみたい。
グラフ1 DPC参加病院における平均在院日数の推移
診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会資料「DPC導入の影響評価に関する調査結果」(2009年度、12年度、13年度)の資料を基に作成
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