昨年8月に社会保障制度改革国民会議（国民会議）がまとめた報告書には、超高齢社会に向けた医療の姿について、病院完結型から地域完結型への移行が盛り込まれた。それには機能分化と、医療者の役割分担の見直しなどが必要になる。日本看護協会の坂本すが会長に、超高齢社会で看護師が果たす役割などについて聞いた。【聞き手・君塚靖】

　これまでわたしたちは、病院完結型の医療の中で働いてきました。超高齢社会に向け、地域完結型に移行するには、高齢者がどのように生きていくのかを考えなくてはいけません。高齢者の主な疾患である、がん、心疾患、脳血管疾患、それに肺炎などは、短期間の入院治療で完治するというよりも、慢性的な緩やかな経過をたどることが考えられます。このような患者像は、わたしが現場にいたころは、あまり見られませんでした。当時は病院完結型で、患者さんは治療を受け、地域に戻り、また普段の生活に戻るのが典型的な姿でした。

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