中央社会保険医療協議会(中医協、会長=森田朗・東大大学院教授)は11日の総会で、バイエル薬品の抗凝固薬(経口ファクターXa阻害薬)イグザレルト錠など12成分21品目の薬価収載(17日付)を了承した。
また、アステラス製薬のレストレスレッグス症候群治療薬レグナイト錠は、薬価算定組織が薬理作用類似薬はないと判断。原材料費や製造経費などを積み上げる原価計算方式で算定され、300mg1錠98.50円となった。通常、1日1回600mgを夕食後に経口投与する。ピーク時売上高予想は38億円。
武田薬品工業の高血圧症治療薬アジルバ錠は、20mg1錠136.90円など。第一三共のオルメテック錠の1日薬価に合わせて算定された。また薬価算定組織は、武田のブロプレス錠と比較して、血圧降下作用で統計学的な有意差が検証されており、治療方法の改善が客観的に示されていることなどを理由に、有用性加算2(5%)を適用した。通常、成人には20mgを1日1回経口投与する。年齢や症状で適宜増減し、1日最大投与量は40mg(40mg1錠205.40円)。ピーク時売上高予想は637億円。
第一三共の骨病変治療薬ランマーク皮下注は、120mg1.7mL1瓶4万5155円。最類似薬であるノバルティスファーマのゾメタ点滴静注用の1日薬価に合わせた上で、「NCCNガイドライン」で初回SRE(骨関連事象)が発現するまでの期間を、最類似薬と比較して有意に遅延させたなどと評価されていることを理由に、有用性加算2(5%)を適用した。通常、成人には120mgを4週間に1回、皮下投与する。ピーク時売上高予想は170億円。
このほか薬価収載された製品の薬価と、ピーク時売上高予想は次の通り。
エーザイの不眠症治療薬ルネスタ錠(2mg1錠78.70円など、112億円)▽大塚製薬の抗精神病薬エビリファイOD錠(6mg1錠179.30円など、27億円)▽グラクソ・スミスクラインのニューモシスチス肺炎治療薬サムチレール内用懸濁液(750mg5mL1包1679.60円、2.5億円)▽帝人ファーマの骨粗しょう症治療薬ボナロン点滴静注バッグ(900μg100mL1袋4498円、74億円)▽MSDの深在性真菌症治療薬カンサイダス点滴静注用(50mg1瓶1万6256円など、104億円)▽塩野義製薬のがん疼痛治療薬オキファスト注(1%5mL1管1609円など、10億円)▽佐藤製薬の皮膚レーザー照射療法時の疼痛緩和に用いるエムラクリーム(1g171.90円、7億円)▽千寿製薬の緑内障治療薬アイファガン点眼液(0.1%1mL438.20円、26億円)
このうちサムチレールは、新薬の1回14日分を限度とする処方日数制限から除外すること、オキファストは医師が在宅で処方することが了承された。
このほか総会では、診断群分類別包括評価(DPC)における高額な新薬への対応として、カンサイダスをDPCの対象外とし、2014年度診療報酬改定まで出来高算定することを認めた。
これと併せて厚生労働省は、こうした高額な医薬品を次期改定までの間に出来高算定とするかどうかの判定時期を、年4回の薬価収載に合わせることを提案し、了承された。
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