中央社会保険医療協議会(会長=森田朗・東大大学院教授)は28日に総会を開き、厚生労働省が2014年度の診療報酬改定に向けた新規検討項目の検討スケジュール案を示した。消費増税への対応について、中医協委員と税制の専門家で構成する「新たな検討の場」を設け、社会保障審議会の医療保険部会と役割分担しながら、13年度の前半に「8%引き上げ時の対応」を取りまとめるとしている。
2月に閣議決定された「社会保障・税一体改革大綱」では、消費税率を14年4月に8%、15年10月に10%へ引き上げる方針が明記されており、これが実行されれば、医療機関などの負担が増えることになる。
厚労省はこれまで、損税分は診療報酬で手当てしていると説明してきた。新組織では、実態調査を行い、増税時に「現行通り診療報酬で手当てする部分」と「区分して手当てを行う高額な投資部分」に分け、高額な投資部分についての基本的な考え方をまとめる。これを踏まえた具体的な対応は、社保審医療保険部会で検討し、13年度前半に新組織で8%引き上げ時の対応を取りまとめる。
これに対し委員から、10%引き上げ時の対応についても議論するよう求める声も上がったが、厚労省保険局の鈴木康裕医療課長は「スケジュール的に難しい」と述べ、8%引き上げ時の対応に関する議論を優先させたいと説明した。
このほか、スケジュール案が示された新規検討項目は、▽基本診療料の在り方▽医療技術(薬剤・材料を含む)における費用対効果の導入▽長期収載品の薬価の在り方―の計4つ。次回の診療報酬改定が14年度に実施されることを前提に作成された。
それによると、費用対効果の導入、長期収載品の薬価の在り方についても、中医協委員と外部有識者で構成する新たな検討の場を設置し、既存の組織と役割分担しながら検討結果を取りまとめる。
一方、基本診療料の在り方は、既存の基本問題小委員会で議論する。検討の目的や既存調査との関係を整理した上で、必要に応じて新たな調査を行い、14年度診療報酬改定へ結果を反映させる。
鈴木課長は、「すべてを14年度改定までに整理するのは難しいので、引き続き検討することもあり得る」と述べ、基本診療料の在り方は「2段階の検討になる」との認識を示した。
(残り382字 / 全1385字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】