中央社会保険医療協議会(中医協、会長=森田朗・東大大学院教授)は25日、2012年度以降に行うDPC制度の見直しの方向性を決めた。DPC対象病院ごとに設定している現行の調整係数の代わりに、基本的な診療機能を評価する「基礎係数」を病院群ごとに設定する形に、16年度の診療報酬改定で切り替える。12年度報酬改定では、調整係数による「上積み分」の4分の1を、各病院の機能面を評価する「機能評価係数2」に置き換える。また、現行のDPC対象病院は3グループに分類。調整係数の完全移行までは、上積み分の残りにグループごとの基礎係数を合わせた「暫定調整係数」で各病院を評価する。
これにより、各病院の包括部分の評価を決める最終的な「医療機関別係数」は同年度から4年間、暫定調整係数と機能評価係数2に、各病院の体制面を評価する「機能評価係数1」を足し合わせて算出する形になる=図=。
同省保険局の迫井正深医療課企画官は総会終了後、記者団に対し、医療機関別係数について、「あまりに大きく変動するなら考慮しなくてはいけないと思う」と述べた。12年度報酬改定を答申する2月上-中旬までに、実際の変動が大きい場合の緩和措置を審議するという。
DPCの見直しをめぐっては、現在のDPC対象病院を、大学病院本院のほか、診療密度が高い病院とこれら以外の急性期病院に分けることが決まっている。25日には、それぞれの名称を「DPC病院1群」「同2群」「同3群」にする案も了承された。1群には大学病院本院80病院が入ることになっており、今後は2群と3群の具体的なグループ分けや、各グループの基礎係数の設定が焦点になる。
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