![中医協委員が被災地視察、特例加算を審議へ](/newspicture/cbnews_body/1312371859.jpg)
記者会見する中医協の森田朗会長(8月3日、福島市内)
中央社会保険医療協議会(中医協)の委員は、8月1日から3日にかけて東日本大震災で大きな被害を受けた岩手、宮城、福島の3県を視察し、各県や各県医師会などと意見交換した。3日に福島市内で記者会見した森田朗会長(東大大学院教授)は、被災地の医療機関を対象にした診療報酬での特例加算の創設などを要望されたと説明し、今後の中医協総会で議論する意向を示した。視察の概要は、今月下旬に開かれる次回総会に報告するという。
森田会長は会見で、3日間の視察や意見交換について、「地域医療を担っている方々と意見交換をすることができて有意義だった。3県でそれぞれ異なった被災の状況、医療の在り方があることを実感した」と振り返った。
また、意見交換などで、診療報酬での特例加算の創設のほか、職員の離職により人員基準を満たせなくなったり、後方病院の廃業により在院日数が延びたりしたケースについて、特例を認めることなどを要望されたと説明。「災害時の対応や被災地の医療の復興について、中医協や診療報酬がどのような役割を果たすことができるのか、これからしっかり議論していきたい」とした。また、要望の中には、中医協で議論する診療報酬の範囲だけで対応できない問題もあったとし、「広い意味での医療の在り方全体を考えなければならない」とも述べた。
■診療報酬以外の問題も中医協で提言を
会見には、福島県の視察に参加した全委員が同席した。
診療側の安達秀樹委員(京都府医師会副会長)も、要望の中に診療報酬だけで対応できない問題があったことに触れ、「強い政治の決断とリーダーシップが必要だと強く感じた」と述べた。支払側の花井十伍委員(連合「患者本位の医療を確立する連絡会」委員)は、こうした問題についても中医協で議論し、提言するよう提案した。
このほか、安達委員は「ヒアリングに応じてくださったほとんどすべての医療人が、その地区を再生するためには医療が必要だという認識で、問題点のご指摘やご提案をしていた」と評価。支払側の伊藤文郎委員(愛知県津島市長)は、「全国の医療関係者の協力を得ながら、全力で地域の医療を守ろうとする地元の医療関係者の姿には感動すら覚えた」と語った。
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