中央社会保険医療協議会(中医協、会長=森田朗・東大大学院教授)は7月13日、総会を開き、アルツハイマー型認知症治療薬としては国内初の貼付剤であるノバルティスファーマ/小野薬品工業のイクセロンパッチ/リバスタッチパッチや、エーザイの乳がん治療薬ハラヴェンなど、12成分31品目の薬価収載(19日付)を了承した。
通常、1日1回4.5mg(337.20円)から開始し、原則4週ごとに4.5mgずつ増量。維持量は18mg。9mg1枚は379.70円、13.5mg1枚は407.00円。
ハラヴェン(静注)は1mg2mL1瓶6万4070円。同様の適応を持つ医薬品として中外製薬のゼローダ(錠)があるが、薬価算定組織は臨床的位置付けや投与経路が異なることなどから類似薬はないと判断。原材料費や製造経費などを積み上げる原価計算方式で算定した。その際、「既存治療法に対して単剤で全生存期間の有意な延長が認められた」との理由から、平均的な営業利益率に40%上乗せする形で算定された。
また、同薬は高額のため、診断群分類別包括評価(DPC)の対象外とし、次期診療報酬改定まで出来高算定とすることが総会で了承された。
このほか、第一三共の抗凝固薬リクシアナは30mg1錠727.30円など。類似薬であるサノフィ・アベンティスのクレキサンの1日薬価に合わせて算定。Xa阻害剤としては国内初の経口投与であることから、「投与に伴う煩雑さ、患者への侵襲性等を減じる」として、有用性加算(5%)が適用された。
また、中外製薬の腎性貧血治療薬ミルセラは100μg0.3mL1筒2万2445円など。同薬は補正加算の要件に該当しないことや薬理作用類似薬が3つ以上あることから、過去6年間に収載された類似薬の最低1日薬価(協和発酵キリンのネスプの2004円)に合わせて算定された。
持田製薬の抗うつ薬レクサプロは10mg1錠212.00円。ミルセラと同様の理由から、過去6年間に収載された類似薬の最低1日薬価(ファイザーのジェイゾロフトの332.80円)に合わせて算定された。
今回薬価収載された製品の薬価とピーク時売上高(薬価ベース)予測は次の通り。
イクセロンパッチ/リバスタッチパッチ(327億円)▽ハラヴェン(119億円)▽リクシアナ(5.1億円)▽ミルセラ(370億円)▽レクサプロ(338億円)▽ヤンセンファーマの解熱鎮痛消炎剤トラムセット(1錠68.20円、160億円)▽日本ベーリンガーインゲルハイムのパーキンソン病治療薬ミラペックス(1.5mg1錠518.90円など、122億円)▽アボットジャパンの健胃消化剤リパクレオン(150mg1カプセル31.60円など、33億円)▽キッセイ薬品工業の2型糖尿病治療薬グルベス(1錠59.80円、57億円)▽丸石製薬の局所麻酔剤ポプスカイン(50mg10mL1管509円など、1.7億円)▽バクスターの全身麻酔剤スープレン(1mL43.70円、26億円)▽ムンディファーマの解熱鎮痛消炎剤ノルスパン(10mg1枚2356.40円、145億円)
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