看護系の48学会・団体が加盟する看護系学会等社会保険連合(看保連、井部俊子代表)は6月30日までに、来年度の診療報酬改定で評価を求める医療技術についての提案書を厚生労働省に提出した。提案は、保険未収載・既収載技術を合わせて計11件で、未収載のものでは「四肢リンパ浮腫に対する複合的理学療法」を最優先項目に挙げている。
提案書では、(1)により浮腫の軽減、悪化の予防が期待でき、継続した指導と治療で患者の症状緩和やQOLの改善に役立つと指摘。年間対象患者数は1万人、年間実施回数は患者1人当たり15-30回(急性期)または2-15回(維持期)で、1.1億円の医療費削減につながるとしている。診療報酬上の取り扱いは「リハビリ」、点数は1000点を提案している。
一方、既収載の技術は優先順位の高いものから、(1)認知療法・認知行動療法の算定要件の見直し(2)ストーマ処置料の増点(3)入院精神療法の算定要件の見直し(4)高位浣腸、高圧浣腸、洗腸の算定要件の見直し(5)留置カテーテル設置の増点―の5件。
(1)では、療法の実施者について、医師に限定せず、看護師らを含めた「医療従事者」などに修正するよう提案。医療費への影響は年間約30億4600万円増と予想する一方、「薬物療法の投与期間の短縮など、薬物療法に関係する医療費を削減できる」としている。
提案書は、未収載技術の評価や既収載技術の再評価について、学会などから要望を受け付けるもの。これを基に、厚労省は7月から9月にかけて評価案を作成。10月以降に中央社会保険医療協議会(中医協)の診療報酬調査専門組織である「医療技術評価分科会」が評価を実施し、結果を中医協に報告する。
(残り0字 / 全867字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】