中央社会保険医療協議会(中医協)の診療報酬調査専門組織である「医療技術評価分科会」(分科会長=吉田英機・昭和大名誉教授)は6月2日、次の診療報酬改定に向けた医療技術の評価方法案を了承した。中医協総会で評価の可視化を求める意見があったことを受け、非公開のワーキンググループと同分科会による2段階の評価プロセスを見直し、1段階にする。
昨年4月の診療報酬改定に向けた医療技術の評価は、2009年6月19日まで学会などからの提案書を受け付け、非公開のワーキンググループで1次評価を実施。10月以降に同分科会で2次評価を行い、結果を中医協に報告した。
厚生労働省が提出した見直し案によると、次の改定に向けては、6月末まで提案書を受け付け、厚労省が同分科会の事前作業として評価案を作成。学会からヒアリングを行いながら、すべての技術を、▽幅広い観点から評価が必要な技術▽エビデンスが不十分と考えられる技術▽薬事法で承認されていない医薬品などを使う「評価対象外」の技術―の3つに分類する。それを基に、10月以降に同分科会が評価を行い、結果を中医協に報告する流れになる。
提案書は、保険未収載の技術や、未収載の医薬品などを使う技術について、学会などから新規収載の要望を受け付けるもの。内科系学会社会保険連合(内保連)や外科系学会社会保険委員会連合(外保連)、看護系学会等社会保険連合(看保連)などが各学会の要望をまとめて提出する。次の改定に向けては、評価を可視化するため、公表を前提にした分かりやすい記載を呼び掛けているという。
昨年4月の改定では、関係学会から726件の提案があった。
■外保連試案、11月までに公表
次期診療報酬改定からの活用を目指している外保連の手術報酬に関する試案(外保連試案)について、新たに同分科会の委員に就任した岩中督・東大小児腫瘍科学教授は、「6月末から7月上旬には、電子媒体でほぼすべての資料が作成できる」と説明。11月までには、紙媒体で主な内容を公表できるとの見通しを示した。その上で岩中委員は、「外保連では、その試案を基に提案書を書くように指示している」と述べた。
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