厚生労働省のチーム医療推進方策検討ワーキンググループ(WG、座長=山口徹・虎の門病院長)は5月18日、チーム医療のモデル事例を盛り込んだ「実践的事例集」(報告書)の最終案を大筋で了承した。報告書は、同省が今年度に行う「チーム医療実証事業」で参考とされるもの。同省では6月から申請を受け付け、早ければ7月に事業をスタートさせる予定だ。
最終案では、チーム医療を推進するための基本的な考え方として、▽カンファレンスや電子カルテなどによる医療スタッフ間の情報共有▽チームの質向上のための卒前・卒後教育の充実▽患者の生活や心理面のサポートを含めた多職種連携-などの重要性を指摘。その上で、急性期から慢性期・在宅医療、医科・歯科の連携まで、さまざまなチーム医療の具体例を示している。
チーム医療実証事業は、報告書の内容を踏まえたチーム医療に取り組む病院や診療所などが対象。厚労省は指定施設について、診療所、20-199床、200-399床、400床以上の各病院でそれぞれ10施設ほどを想定し、急性期・救急医療、回復期・慢性期、在宅医療の各分野で施設数が偏らないようにするとした。実施期間は来年3月まで。
医療機関は6月1-30日、事業内容やその評価方法について厚労省に申請(場合によっては追加申請も受け付ける)。一つの施設内で複数の事業を実施したり、幾つかの医療機関が集まって事業を行ったりすることも可能で、補助額は1事業300万円超、2事業では約500万円になる見通しだ。指定施設は、その取り組みの安全性や効果などを報告書として同省に提出する。
最終案では、診療報酬上でチーム医療を評価する必要性も示されており、事業の評価結果について、厚労省では中央社会保険医療協議会などに提出することも想定している。
■放射線技師の「グレーゾーン」の医行為で論点整理へ
一方、この日のWGでは、法律に抵触する恐れのある診療放射線技師の医行為について、厚労省が今後、論点を整理し、次回の会合で示すとした。
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