日本医師会の松本吉郎会長は17日の定例記者会見で、「社会保障費の伸びを高齢化の範囲内に抑えるという対応はデフレ下の遺物だ」と述べ、政府予算の編成にめりはりを付けるため、社会保障費の増加を高齢化相当分に収める「歳出の目安」を継続すべきだと主張する財務省に反論した。【兼松昭夫】
松本氏はその上で、賃上げや物価高騰が続くインフレ下では、高齢化の進展によって社会保障の歳出を左右するべきではないという認識を示した。さらに、「歳出の目安を示すということは人件費に上限を設けるようなもので、政府が重要政策に位置付ける賃上げを阻むものだ」とも述べた。
財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の財政制度分科会は16日、国の財政運営に関する提言(春の建議)の取りまとめに向けて、医療や介護など社会保障改革を議論した。
財務省はその中で、社会保障費の増加を高齢化相当分に収める「歳出の目安」を継続し、政府予算の編成にめりはりを付けるべきだと主張した。
これに対して松本氏は17日の記者会見で、国が2018年に発表した「2040年を見据えた社会保障の将来見通し」で、
(残り412字 / 全880字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】