民間最大級の病院グループ「徳洲会」では、2024年度の診療報酬改定が施行される6月に向けて全国の病院ごとに戦略の立案を進めている。入院医療の目玉になった「地域包括医療病棟」の施設基準を10月以降、一部の病院で試験的に届け出て様子を見る方針だが、現在の病棟を移行させるメリットは今のところ少ないとみている。【兼松昭夫】
■「急性期病院のふるい落とし」
24年度の診療報酬改定で国は、入院患者がどれだけ重症かの判断基準となる一般病棟用の「重症度、医療・看護必要度」(看護必要度)の測定項目や測定方法の厳格化に踏み切った。
徳洲会大阪本部の岸良洋一・医事部長は、「(24年度は)プラス改定といわれているが、実際は急性期病院の本格的なふるい落としが始まった。7対1の看護配置を整備しても、実績が伴わないと維持できなくする」と受け止めている。
看護必要度の見直しでグループの急性期病院にどれだけ影響が及ぶのか、徳洲会では現在、見極めを進めている。
全国にある傘下の76病院のうち、急性期一般入院料は64病院が届け出ている。急性期一般入院料1-5の病院による「重症患者」の受け入れ割合は、直近のデータがある39病院の平均で3.3%下がると見込んでいる。
「モニタリング・処置等」の測定を評価するA項目のうち、「救急搬送後の入院」の
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