中央社会保険医療協議会が15日に開いた総会では、地域包括ケア病棟入院料の算定要件の計算対象から短期滞在手術等基本料3(短手3)を外すなど2024年度の診療報酬改定で見直しが必要だという認識を診療側・支払側双方の委員が示した。短手3の受け入れ割合が高い病棟では在宅復帰率などの算定要件をクリアしやすくなる傾向が明らかになっている。【兼松昭夫】
■在宅医療の実績、松本委員「入院料2と4にも」
地域包括ケア病棟入院料の施設基準には、在宅復帰率のほか自宅などからの緊急入院の受け入れ割合の要件があり、厚生労働省はこの日の総会で、それらの指標の「あり方」を論点に挙げた。
厚労省によると、地域包括ケア病棟や病室957カ所のうち158 カ所(16.5%)では、大腸ポリペクトミーや白内障など短手3のみを算定する患者の受け入れ割合が10%以上だった(22年4-12月)。
さらに、短手3の受け入れ割合が10%以上の病棟では、全く受け入れていない病棟に比べ、「自宅から入棟した患者」や「自宅等に退棟した患者」の割合が高くなる傾向があることも分かっている。
支払側の松本真人委員(健康保険組合連合会理事)は、短手3の患者を積極的に受け入れると地域包括ケア病棟入院料の基準をクリアしやすくなるという認識を示し、それらの患者を対象から外すなど計算方法の見直しを主張した。
診療側の太田圭洋委員(日本医療法人協会副会長)も、
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