【株式会社メディチュア 代表取締役 渡辺優】
■急性期病棟は転院患者より介護施設からの患者受け入れの方が多い
急性期病棟は予定入院患者や救急搬送患者が多くを占めている。他の病院や介護施設から移ってくる患者は、高度急性期で1割弱、急性期で1割強にすぎない=グラフ1=。一方、回復期や慢性期は、転院患者の受け入れが4割強と高く、また介護施設からの患者の受け入れも多い。
グラフ1について、家庭からの入院患者と出生・その他を除外し、転院と介護施設の比率を見ると、急性期は他院から転院してくる患者より、介護施設から移ってくる患者の比率の方が高い=グラフ2=。 (残り1213字 / 全1850字) 次回配信は3月1日5:00を予定しています
退院経路も同様に比較した=グラフ3=。高度急性期・急性期病棟は家庭へ帰る患者が多く、慢性期病棟は終了(死亡退院)が多い。退院患者についてもグラフ2同様に転院と介護施設の比率を見ると、高度急性期病棟では転院と介護施設の比率がざっくり4:1に対し、急性期病棟は3:2、回復期・慢性期病棟は2:3になっている=グラフ4=。
急性期病棟における入院患者の高齢化は急速に進んでおり、入退院経路に占める介護施設の割合はかなり高くなっている。2024年度の医療・介護同時改定では、診療報酬と介護報酬の両方を見直すことで、切れ目なく、かつ効率的なサービスの提供の実現を目指すだろう。改定に向けた中医協などの議論を理解する上で、そして直近の地域連携の強化を図る上で、現状把握は有益だろう。
■急性期病棟は転院患者より介護施設からの患者受け入れの方が多い
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