政府は29日、2023年度予算の概算要求基準を閣議了解した。国家の安全保障を担保するため、防衛費を増額する一方、医療など社会保障費の自然増は22年度の6,100億円から5,600億円に圧縮された。23年度には2回目となる「中間年」の薬価改定が控えていて、予算案の編成で焦点になる。【松村秀士、兼松昭夫】
概算要求基準は予算編成の骨格に当たる。各省庁はそれに沿って8月末までに概算要求を行い、予算編成作業が年末にかけて本格化する。
岸田政権が掲げる新しい資本主義の実現を促すため、23年度予算の編成では、▽人への投資・分配▽DX(デジタル・トランスフォーメーション)への投資-など5分野の推進枠を設定し、政策ごとに柔軟に削減できる「裁量的経費」から振り替えられるようにする。
一方、政府は5年以内に防衛力を抜本的に強化する方針。そのため23年度予算の編成では、防衛費を概算要求基準の対象外にし、要求額を示さない「事項要求」を認める。
これに対し、年金や医療などの社会保障費は歳出削減の主舞台となる。
(残り669字 / 全1113字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】
【関連キーワード】