【株式会社メディチュア 代表取締役 渡辺優】
■効率的な病床利用を促進したアウトカム重視の改定
近年、回復期リハビリテーション病棟入院料はアウトカム重視の改定が行われてきた。2016年度診療報酬改定で実績指数が導入され、一定水準に達しない場合、6単位を超える疾患別リハは入院料に包括化する仕組みができた=資料1=。
資料1 16年度改定 実績指数を満たさない場合の6単位を超える疾患別リハの包括化
厚生労働省 「平成28年度診療報酬改定説明会」(16年3月4日開催)資料
(https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000115977.pdf)
18年度改定では、その実績指数を入院料の要件に組み込み=資料2=、20年度改定は実績指数の基準を引き上げた(入院料1:37から40、入院料3:30から35)。
資料2 18年度改定 入院料の要件に実績指数を組み込み
厚生労働省 「平成30年度診療報酬改定説明会」(18年3月5日開催)資料
(https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000198532.pdf)
実績指数をクリアするには、リハビリの充実、早期入院、早期退院が必要となる。その結果、病床稼働率を優先し在院日数を延ばすことをやめ、効率的な病床利用が促された。高齢化が進む中で、ポストアキュート病床の需要は高まっている。一方で、ポストアキュート病床をやみくもに増やすことなく、効率的な病床利用にインセンティブを設けた実績指数は極めて大きな役割を果たしている。
実績指数のハードルを上げ続ければ、回リハ病床の高回転化が促進され、医療経済的には望ましいかもしれない。ただし、あまりにハードルを上げ過ぎれば、機能回復が期待できない病態の患者の受け入れを避けるなど、マイナスな影響が生じかねない。20年度改定直前に「回リハ難民を生み出しかねない看護必要度・回リハ改定」において、その懸念を述べた。
■重症患者割合の4割は回リハ1の半数程度がクリアできない
22年度改定では実績指数のハードルは据え置かれた。一方で、入院時の重症患者の割合が引き上げられた=資料3=。
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次回配信は4月6日5:00を予定しています
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