神奈川県鎌倉市にある湘南鎌倉総合病院を舞台に行われている、県の「令和3年度新型コロナウイルス感染症対策ロボット実装事業」の実証実験。特集の後編では、病棟以外の施設関連でのロボット活用の取り組みを伝える。ロボットを活用することで、人手不足の解消だけでなく、顧客満足度(CS)や従業員満足度(ES)の向上などにつながる可能性も見えてきた。【川畑悟史】
■ロボット×職員の遠隔対話で施設内を案内
医療者側の効率性が考慮されている病院内は、患者・家族にとっては迷路のような場所だ。「××科を右に曲がって、△△科を左に行くと階段がありますので、その階段を上って右側に▽▽があります…」。病院受付の職員に聞いた通りに行ったはずが、どこかで曲がる場所を間違え、いつまでたっても目的の場所へ到着しない。こんな経験をした患者・家族は少なくないだろう。結局、場所が分からず、再度、受付に戻り「すみません…」と言いながら、職員が一緒にその場所まで向かう。すると、受付には職員がおらず、次に来た患者・家族からは「誰もいない」と新たなクレームに。こんな経験をした病院職員もいるかもしれない。
こうした案内の悩みを、フロア案内ロボットが助けてくれる。実証実験のため、正面入り口とは別の出入り口に、親機と子機の2台のロボットが出迎える。スマホ型のディスプレイ画面に「ご案内」の文字が。「話しかけてください」とも表示され、「レストランまで行きたいのですが」と親機に話しかけると、親機ロボットはレストランの場所を紹介する。
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