患者の診療情報を紹介元の「かかりつけ医」に提供した医療機関への評価の「診療情報提供料(III)」(150点)について、施設基準をクリアしている医療機関の約8割が算定していなかったことが、厚生労働省が1日に公表した調査結果で明らかになった。その理由として、紹介元からの求めがないことや、算定対象となる患者がいないことなどが挙げられた。【松村秀士】
1日の中央社会保険医療協議会・総会で、厚労省は「かかりつけ医」機能などの外来医療に係る診療報酬上の評価の状況に関する2021年度の調査結果を公表した。調査には、医療機関691施設、患者1,851人が有効回答した。
それによると、20年度診療報酬改定で新設された診療情報提供料(III)について、施設基準を満たしていると回答したのは153施設(22.1%)。一方、満たしていないと答えたのは398施設(57.6%)で、140施設(20.3%)が無回答だった。
基準を満たしている施設のうち、21年6月の1カ月間で23施設(15.0%)が算定していたが、122施設(79.7%)が算定していなかった。残りは無回答だった。
算定しなかった122施設に理由を尋ねたところ(複数回答)、「算定対象となる患者がいないから」(55.7%)が最多だった。「紹介元の保険医療機関からの求めがないから」(50.8%)も多く、「診療情報の提供をするための事務作業に手間が掛かるから」(10.7%)との回答も寄せられた。
■約9割の診療所、必要時に専門医へ紹介
(残り321字 / 全957字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】
【関連キーワード】