【株式会社メディチュア 代表取締役 渡辺優】
■効率性係数向上が「経営改善の経験を積むのに最適」な5つの理由とは
厳しい経営環境の中で、いかに収入を増やし支出を減らすかを考えていれば、DPC算定病院はおのずと機能評価係数IIの向上にたどり着く。しかし、機能評価係数IIには大きな問題がある。
まず、算定方法が複雑なことだ。疾患補正や算定対象の条件、指数と係数など、複雑にする要素は盛りだくさんである。その上、自院の数値を当てはめるだけでは計算できない。係数の値を計算するには、全国のDPC算定病院の数値が必要となる。このように複雑で理解することが難しい係数を、院内の関係者に理路整然と説明すること自体がそもそも難しい。
そして、係数向上を目指すために、明確な方針を打ち出すことも難しい。複雑な係数の計算方法も相まって、対策も簡単ではない。また、取り組む内容次第では、経営的にデメリットを伴うことも珍しくない。しかも、係数は相対的な値であるため、取り組みの結果、次年度に係数が向上するかどうかは水物である。
ただ、このような複雑な事象であるからこそ、あの手この手を考えることが、経営改善のトレーニングとして最適なケースとなり得る。その中でも、効率性係数の向上の取り組みは有益だ。特に、若手スタッフなどに経験を積ませる上で、具体的に次の5点が有益である。
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次回配信は11月25日5:00を予定しています
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