厚生労働省は、保険診療に関する2020年度の指導・監査の留意点を公表した。18年度に実施した特定共同指導・共同指導での主な指摘事項を踏まえたもので、全体的には、▽診療録への医師による日々の診療内容の記載が極めて乏しい▽医学的診断根拠のない「レセプト病名」を付与している-などと指摘。また、基本診療料、医学管理等、在宅医療、検査、投薬など個別診療行為についても具体例を挙げて改善を求めている。レセプト病名を含め、投薬の不適切事例を列挙している。【ライター 設楽幸雄】
診療録(カルテ)については、「診療報酬請求の根拠」だとし、必要事項を適切に記載していなければ不正請求の疑いを招く恐れもあると指摘。
留意点として、▽診療の都度診療の経過を記載する。外来患者は受診の都度、入院患者は原則として毎日、診療録の記載がなされる▽診療録に記載すべき事項が算定要件として定められている点数項目があることに留意する▽責任の所在を明確にするため、記載の都度必ず署名する-などを挙げた。
18年度の共同指導での主な指摘事項では、これら「日々の診療内容の記載が極めて乏しい」と指摘している。
レセプト病名については、説明用資料の中で、「査定を防ぐための虚偽の傷病名、いわゆるレセプト病名は認められない」とした。
そうしたレセプト病名の具体例として、▽ST合剤の投与で「慢性尿路感染症」「ニューモシスチス肺炎」▽PPI投与で「難治性逆流性食道炎」▽ビタミン剤投与で「ビタミン欠乏症」「摂食不能」-を挙げた。
(残り945字 / 全1580字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】