【株式会社メディチュア 代表取締役 渡辺優】
■認知症ケアの重要性は認識されつつも、届出施設数は伸び悩み
急速な高齢化の進展により、病院での認知症ケアが年々重要になっている。診療報酬で認知症患者に対するケアに点数を設定することは、マンパワーへの適切な評価に加え、適切なケアができる人材育成の加速も期待できる。
2020年度診療報酬改定において、認知症ケア加算は点数が引き上げられ、改定前の加算1と加算2(現行の加算3)の間に中間的な点数の新しい加算2が設けられた=資料=。同時に、20年度改定では「重症度、医療・看護必要度」から認知症患者に対する評価が廃止された。これは病棟に認知症患者が「いること」を評価する時代から、認知症患者への「適切なケア」を評価する時代に変わったと認識している。
資料 20年度診療報酬改定 認知症ケア加算の見直し内容
厚生労働省保険局医療課 「令和2年度診療報酬改定の概要(入院医療)」から引用
届出施設数の推移を見ると、認知症ケア加算が新設された16年度改定直後は急激に増えた=グラフ1=。しかし、その勢いは落ち着きを見せ、19年度前半でほぼ頭打ちとなった。20年度改定前後で比較すると、改定直前は3,800施設程度だったものが、改定後は3,700施設程度へと若干減少した。直近では少しずつ改定直前の水準に戻しつつあるが、これは改定で加算3の看護師の病棟配置数が3名以上になったことなどが影響していると思われる。
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