新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、厚生労働省の有識者検討会は2日、慢性疾患で定期的に受診する患者らに対して、医師が初診からオンラインで診療をすることを認めることで合意した。感染拡大時の限定的な対応を想定したもの。同省は、これまでに医療機関を受診したことがあるかどうかなど、対象患者を4つのケースに分け、対応案を示した。受診歴がない患者には、外来医療の提供体制が危機的な状況にある地域で、感染拡大が明らかな時期に限り、電話などでの診療を認める方針を示した。同省は関連の事務連絡を近く出す。【松村秀士、兼松昭夫】
オンラインでの初診は、「かかりつけ医」がいない若い患者や、「かかりつけ医」が電話での対応を行っていないことを想定した対応。厚労省は2日の「オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会」に提案したが、受診歴のない人へのオンラインの初診に反対する意見が出た。そのため、地域や期間をできるだけ限定して対応を認める。
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、検討会は3月、慢性疾患を抱える患者の状態が変化した場合、感染拡大時に限り、新たな薬をオンラインで処方することを認めるなどの対応を決めた。しかし、感染の拡大は収まらず、院内感染の事例が増えていることや、感染を恐れて疾患を抱える多くの患者が受診を控えるようになり、重症化のリスクが生じることが懸念されている。
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