政府が4月に閣議決定した「ギャンブル等依存症対策推進基本計画」では、競馬、競輪・オートレース、競艇、パチンコの主催者らが取り組む必要のある対策をまとめ、ギャンブル依存症の早期の発見・介入に注力する方向性などを示している。早期発見の取り組みを進めた場合、短期的に患者の増加が予想されるが、都道府県・政令指定都市の中には、ギャンブル等依存症の専門医療機関や治療拠点機関の選定が思うように進んでいない自治体もあり、都道府県・政令指定都市間で医療提供体制に格差が生じている。【新井哉】
■早期の支援や適切な治療で「回復が十分可能」
ギャンブル依存症について、基本計画では、「早期の支援や適切な治療により、回復等が十分可能である」との見解を提示。ただし、医療機関や相談支援の体制が乏しかったり、治療を行っている医療機関や相談支援機関、自助グループなどの支援に関する情報を得にくかったりするといった理由を挙げ、必要な治療および支援を受けられていない現状があるとしている。
ギャンブル依存症の人はどれくらいいるのか。基本計画では、日本医療研究開発機構が行った疫学調査で「成人の0.8%」と推計していることや、2017年度に精神保健福祉センターや保健所に寄せられたギャンブル等に関する相談件数が4843件あったことなどを指摘しながらも、「その把握状況は必ずしも十分でない」と指摘。実態の把握が基本計画の重要な課題になっているという。
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