【株式会社ニューハンプシャーMC 代表取締役 柴田雄一】
前回まで、デジタル・マーケティングを知る上での基本的な考え方を紹介してきましたが、気になるのはやはり、「結局、どの媒体を使えばいいのか」ではないでしょうか。
■デジタル・マーケティングの高まりで注目される新手法
そもそも媒体とは、どんな意味でしょうか。
【媒体 ばいたい】出典:大辞林(三省堂)
(1)なかだちをするもの。媒介するもの。
(2)情報伝達の媒介手段となるもの。新聞・ラジオ・テレビなど。メディア。「宣伝-」
(3)メモリーや磁気ディスクなど、データの記憶媒体のこと。
マーケティングを行う上で鍵となるのが、消費者とのコミュニケーションです。その間には何らかの媒体が介在することとなります。テレビ、新聞、ラジオ、ウェブサイトなどがそれに当たり、マーケティングでは、媒体の選択は効果を生む上で、重要な要素の一つです。
表は、「“集患”プロフェッショナル」(医学通信社刊)で筆者が定義した媒体のフレームワーク(枠組み)です。初版を出した2009年当時、内科クリニックでは、インターネットを通じた新規患者の割合は10%台でした。そのため、アナログメディアの必要性はまだまだ高く、「アナログ」の効果的な組み合わせが求められていました。
「いました」と過去形ですが、インターネットの重要性がより増した現在でも、アナログメディアを中心に据えた広告の組み合わせが陳腐化したわけではありません。プライマリケアのクリニックに関しては、このフレームワークは、現在でもシンプルで使いやすいと思います。
一方で、デジタル・マーケティングの比重が高まるにつれ、この伝統的な手法が使いにくくなることがあります。デジタルメディアが複雑化し、「電子媒体」がホームページ、ブログだけでなくなったためです。例えば、Googleのナレッジパネル※はGoogleマイビジネスの登録によって無料で情報を公開できますし、誰もが手軽にWeb有料広告も出稿できるようになりました。広告や検索結果、SNSなどから流入してきたユーザーを、できるだけサイトから離れさせずに、注文や問い合わせなどに結び付ける「ランディングページ」という1ページ(スクロールだけで完結する)メディアも登場しています。
そこで、このような複雑化に対応した媒体フレームワークとなる「POEメディアフレームワーク」が生まれました。
筆者の柴田雄一氏が、6月14日(金)18:30から東京・浜松町で、CBnewsセミナー「病床稼働を増やす、手術件数を増やす次の手-地域医療連携活動だけに頼らないデジタル・マーケティングの導入-」を開催します。ご参加をお待ちしております。
※ビジネス検索すると検索結果の画面右側(PCの場合)にその施設のクチコミを含めた各情報がまとめられたボックス
■POEメディアの特性をしっかり理解する
Paid、Owned、Earnedの頭文字を取ったもので、それぞれの説明と特徴を示しました。
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