【株式会社メディチュア代表取締役 渡辺優】
■「看護必要度30%以上」はやはり厳しくなかった
7対1病棟に対する2018年度診療報酬改定での重症度、医療・看護必要度(看護必要度)の該当患者割合について、「30%以上」という基準は厳しくないはずだと今年2月の拙稿で述べた(「7対1低単価型」は看護必要度30%でもシフト考慮を)。
改定から3~4カ月が経過し、その実情が見えてきたが、実際、看護必要度の基準が厳しいという病院は今まで見ていない。講演など、事あるごとに聞いているので、ほとんどの病院にとって30%以上は厳しくなかったと思われる。
しかし、今回の改定の本質は、30%をクリアするか否かではない。自院の提供している医療の内容を踏まえ、適切な看護配置を考えることが肝要である。18年度改定以前であれば、7対1から10対1へのダウングレードは大幅な減収が不可避であり、崖から飛び降りるような覚悟が必要だった。しかし、今回の改定で、その崖に優しい2段段の点数が設置された。これらに移行すれば減収は不可避だが、看護職員を減らしてコストを抑えることができれば、むしろ利益が増えることも十分あり得る。
ある病院の例だが、入院料2-7を算定した場合、入院料1のときに比べ年に数千万円から2億円近く減収する=グラフ1=。
グラフ1 入院料1-7までを選択した場合の収入シミュレーション
独自分析資料 (残り2878字 / 全3465字)
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