診療報酬調査専門組織「医療機関等における消費税負担に関する分科会」が25日に開かれ、厚生労働省は消費税率8%への引き上げに伴う補てん状況の把握結果を公表した。過去の集計では、病院の補てん率※は100%を超えていたが、集計ミスが見つかり、再集計の結果、2014年度は82.9%、16年度は85.0%だった。これに対し、委員からは強い反発があり、19年10月に予定されている消費税の引き上げ後には、補てん結果を適切に検証する仕組みを求める声が相次いだ。【大戸豊】
※診療報酬の上乗せ分÷3%相当負担額
医療機関の仕入れにかかる消費税は、診療報酬で補てんされているが、14年4月の診療報酬改定では、消費税3%分を初再診料や入院基本料などで補てんしており、14年度の補てん状況の把握結果=表1=では、病院の補てん率は15年11月末時点では102.36%と公表されていた。
しかし、今回の調査過程で、14年度分の調査でDPC病院の包括部分の補てん状況にミスが見つかった。厚労省では、DPC病院の包括部分の補てんで、NDBデータによる入院日数に、非DPC病院の補てん点数を乗じて推計していたが、NDBデータ抽出の際、複数月にまたがる入院の場合の入院日数について、各月に重複してデータを抽出しており、病院の収入が実際よりも多く出ていたことになる。
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