(2018年6月6日に配信した記事の再掲です。内容などは掲載当時のものとなります)
【株式会社メディチュア代表取締役 渡辺優】
■高齢化の進展がもたらす入院医療費の伸び止まり
高齢化が進むと入院医療費のトータルは増えなくなる。都道府県別に、2015→16年度の入院医療費の伸び率と、80歳以上人口比率を見た=グラフ1=。高齢化が進むと、入院医療費の伸びは緩やかになる傾向が見られる。また、高知や熊本、福島などでは伸び率がマイナスになっている。このようなマイナスの県でも、医療機関個別に見れば前年度より入院医療費が伸びている所もあるし、減っている所もあり、県合計の入院医療費が対前年度で減ったことを意味している。
グラフ1 都道府県別 2016年度入院医療費伸び率(対15年度比)と80歳以上人口比率の関係性
厚生労働省「医療費の動向」調査(2016年度)を基に作成
日本全体の入院医療費は年々増加し続けている=グラフ2=。しかし、都道府県別に見れば、既に収入減少フェーズに突入している所があるということだ。
グラフ2 診療種別医療費推移
厚生労働省「医療費の動向」調査(2016年度)を基に作成
ただし、グラフ1の結果は16年度だけで見られる傾向かもしれない。そこで全国計について09年度から16年度までの傾向をプロットした=グラフ3=。
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