【株式会社メディチュア代表取締役 渡辺優】
■改定ではしごは外されなかった地域包括ケア病床
人口構成の変化に応じ、病床機能は“ワイングラス型”から“砲弾型”への転換が求められており、その中で地域包括ケア病床は重要な役割を担っている。2014年度に新設されてから、届け出る病院は増え続けている。18年度の診療報酬改定では、地域包括ケア病棟入院料(入院医療管理料)も再編され、特に地域包括ケア病棟入院料(入院医療管理料)1は「地域包括ケアシステムの要」となることがより明確になり、点数が引き上げられた。一方、急性期病棟との併設型で、主に院内転棟患者を受け入れている“ポストアキュート型”の病棟でも、基本料の点数は維持された。これは、地域包括ケア病床が25年に向けた病床機能転換を進める上で、極めて重要な役割を担っているため、厚生労働省も「はしごを外さなかった」と理解している。
地域包括ケア病床の主な設置メリットを、受け入れ患者の制約の少なさと経営面での有利さの2つの視点から整理した=表=。このようなメリットを享受しようと、各病院が地域包括ケア病床の要件を満たすため、リハビリセラピストを充実させたり、地域連携の強化を進めたりすることは、結果として地域包括ケアシステムの充実につながっているのだろう。
表 地域包括ケア病床の主な設置メリット
表の7点目「機能評価係数II(効率性係数)の向上につながる」については、前回の「機能評価係数IIがアップした病院の5つの共通点」で分析結果を示した。DPC算定病床数が500床未満の病院を対象に、地域包括ケア病床の有無で、機能評価係数IIの変動を見た=グラフ1=。いずれの病床規模でも、地域包括ケア病床を持っている病院は、持っていない病院に比べ、機能評価係数IIの増加割合が高かった。
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次回配信は5月9日5:00の予定です
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