【株式会社メディチュア代表取締役 渡辺優】
■分析対象データを拡大し「スーパー10対1」の患者像に迫る
以前、7対1入院基本料算定病院と10対1入院基本料算定病院における「重症度、医療・看護必要度」(看護必要度)の該当患者割合の違いについて、病床機能報告の70病院のデータ分析を通じて、患者像が異なっている可能性を論じた(「同じ看護必要度でも7対1と10対1では患者像は異なる」)。
例えば、10対1で看護必要度が30%を超える「スーパー10対1」と呼べるような病院では、7対1の看護必要度の高い病院に比べ、病床数は小規模で、高齢の救急搬送患者を多く受け入れている可能性があり、一方、7対1の看護必要度の高い病院は、侵襲度の高い手術をしている可能性が示唆された。
ただし、前回のレポートでは、比較的早期から2016年度の病床機能報告データを開示していた2県分・70病院の限られたデータから類推していたため、地域性などの影響が排除し切れていなかった可能性もある。そこで対象を、16都道府県、1136病院に拡大し、計20万床のデータから再検証した(看護必要度のデータ等が不適切な病院は除外している)。
■小規模病院が多い10対1、大規模から小規模までさまざまな7対1
まず算定病床数の分布を比較した=グラフ1=。それぞれ7対1入院基本料の算定病床数、10対1の算定病床数についての病院ごとの合計値を見ている(ICUやハイケアユニット等の特定入院料を算定している病棟は含まない)。7対1の658病院のうち、1割程度は500床を超えている。一方で10対1の478病院の3分の1以上は50床未満となっている。
(残り2693字 / 全3387字)
次回配信は11月15日5:00の予定です
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】
【関連キーワード】