2018年度の予算編成に向けた社会保障改革の議論がスタートした。先月、財務省が示した改革の方向性では、「地域医療構想」をはじめとした病床再編に関する提言も数多く盛り込まれている。経済財政運営の指針(骨太の方針)の策定に向け、議論が本格化する前に、医療分野に関する主な論点を振り返っておこう。【敦賀陽平】
● 改革の視点-「公的価格の包括化」も
改革の方向性の中で財務省側は、日本の医療・介護制度の特徴について、「国民皆保険」「フリーアクセス」「自由開業制」「出来高払い」の4つを挙げている。
その上で医療機関に関しては、▽患者の受け入れや診療行為が増加するほど収入が増える構造である▽患者と医療機関との間で大きな情報の非対称性が存在する―ことを指摘。国民皆保険を維持しつつ、医療・介護制度を持続可能なものにするための改革の視点の一つとして、「公的価格の適正化・包括化等を通じた効率的な医療・介護」を掲げた。
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