【千葉大学医学部附属病院 副病院長・病院長企画室長・特任教授 井上貴裕】
1.2018年度改定 III群の機能評価係数II
2018年度診療報酬改定に向け、DPC/PDPSの基礎係数および機能評価係数IIに関する議論が行われている。
3月31日の「DPC評価分科会」では、医療機関群は現状の3群を維持した上で、III群は急性期医療において標準的な医療を提供する病院群と位置付け、機能評価係数IIは現行の8項目から従来の6項目に絞り、後発医薬品係数は機能評価係数Iへ移行し、重症度係数は見直すといった方向性が示された。さらに、III群は、各係数間の重み付けは行わない形で決着しそうだ。
本稿では各係数の特性を振り返り、機能評価係数IIの視点から、III群病院の目標となる姿について考えたい。
2.6項目になった際の影響度予想
機能評価係数IIが6項目になった場合の影響を予想するため、13年度のIII群病院の機能評価係数IIの各係数と6項目合計の相関係数を示す=グラフ1=。一番左の救急医療係数の相関係数は1に最も近いが、これは救急医療係数が高い医療機関は、機能評価係数IIの合計も高かったことを意味している=グラフ2=。地域医療係数を見ると、田舎の地域医療を支えるような病院が評価されている=グラフ3=。13年度まではこのような傾向が顕著であり、田舎に立地し、救急医療に注力する病院が、機能評価係数IIの合計で上位を占めていた。各係数間の重み付けはされていないが、結果として差がつく項目ほど、相関係数が高かった。データ提出係数などは、皆がデータを提出しているため差がつかず、相関係数はゼロに近い。
グラフ1 2013年度 III群病院の機能評価係数IIの各係数と6項目合計の相関係数
(残り1530字 / 全2259字)
次回配信は4月24日5:00を予定しています
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】
【関連キーワード】