厚生労働省は、都道府県が医療計画を作成するための手順や盛り込むべき内容を示す指針を改正した。来年4月からの次期計画に反映される。いわゆる5疾病5事業などに加え、高齢化に伴って患者が増えると見込まれる「ロコモティブシンドローム」(ロコモ)などの対策を講じるよう促している。【佐藤貴彦】
医療計画は、都道府県が地域の実情に合った医療提供体制を確保するために策定するもの。生活習慣病などの5疾病や、救急医療などの5事業、在宅医療などの提供体制について、それぞれ地域ごとの課題やその解決に向けた施策などを記載する。
人口ボリュームが大きい団塊世代の高齢化に伴って、運動器の障害のために介護が必要になる危険性が高まった状態を指す「ロコモ」や、加齢とともに心身の活力が下がり、心身が脆弱化した状態を指す「フレイル」などの対策が重要になると指摘されている。
厚労省は先月31日、医療計画に関する2つの指針を改正。ロコモやフレイル、誤嚥性肺炎、大腿骨頚部骨折などについて、5疾病には加えないものの、疾病・介護予防を中心に総合的な対策を講じるよう促している。
■重点指標で現状把握、PDCAで課題解決
今回の指針改正のポイントの一つは、医療計画に基づくPDCAサイクルによって医療提供体制の課題を解決することで、5疾病と5事業、在宅医療のそれぞれの現状を把握するための指標が大きく変わっている。
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