中央社会保険医療協議会(中医協)は29日の総会で、来年春の診療報酬改定に向けて、生活習慣病患者の重症化などを防ぐための外来医療の評価のあり方を議論した。厚生労働省は、かかりつけ医機能を持つ医療機関と専門医療機関との連携や、医療機関と保険者の情報共有などを推進する方向性を示し、複数の委員が賛意を示した。支払側の委員からは、糖尿病などの患者が働きながら治療を受けやすくするためにICT(情報通信技術)を活用した「遠隔管理」を導入すべきとの提案もあった。【佐藤貴彦】
生活習慣病は、食習慣や運動習慣、喫煙などの生活習慣が発症や進行に関与する疾患群で、高血圧症や高脂血症、糖尿病などが挙げられる。重症化すると定期的な透析や日常生活の介護が必要になるが、生活習慣を改善させれば進行を抑えることができる=図=。
厚労省は29日の総会で、生活習慣病患者の治療や管理に関連した主な診療報酬に、糖尿病患者らの継続的な治療管理を評価する「生活習慣病管理料」や、糖尿病患者の透析導入のための指導を評価する「糖尿病透析予防指導管理料」があることなどを説明。
一方、これからはより質の高い医学管理や、重症化予防の取り組みが求められるとし、「かかりつけ医機能と専門医療機関等との連携」と「かかりつけ医を中心とした多職種との連携による効果的な医学管理等」、「医療機関と保険者・自治体等の予防事業との情報共有」の3つを来年春の改定で推進する必要性を指摘。そのための評価のあり方について議論するよう促した。
これを受けて、松本純一委員(日本医師会常任理事)や吉森俊和委員(協会けんぽ理事)らが、3つを推進する方向性に同意した。
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