【吉備国際大学 保健医療福祉学部 作業療法学科 准教授 京極真】
Q. うちのクリニックは、常に本音を言い合える関係なんです! |
それを基本に多職種連携を考えるのはお薦めできません。
多職種連携は、本音と建前がきちんと機能してこそ、適切に実行できると心得ましょう。
■本音を言い合うのは本当にいい関係?
多職種連携は、チームメンバーの信頼関係によって成立しています。信頼関係は、お互いの価値観の違いを認め合い、共通の目標に向かって協力し合うことで構築することができます。その意味で、互いの本音をぶつけ合う関係は、多職種連携をする際の基本と感じることがあるかもしれません。
しかし、「多職種連携は本音を言い合える関係が基礎である」と言い切れるかと考えると、そう単純に結論付けることはできません。本音を出す行為は、ともすると自分本位の意見に偏りすぎてしまい、チームメンバーの価値観を承認できず、 落としどころが見つからなくなることがしばしばある からです。 今回のQでも、最終的に「時間外でも訪問すべき」と「業務内で対応すべき」の二項対立の図式に陥っています。互いに本音をぶつけ合っている限りは、いくら改めて話し合っても、この対立の構図を克服することはできないでしょう。本音を言い合える関係は必要ですが、それが多職種連携の基礎になると 信念対立 に陥るリスクもあるのです。
■「本音」とは何か?
そもそも本音とは何でしょうか?
次回配信は2月17日5:00を予定しています
(残り1839字 / 全2633字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】
【関連キーワード】