厚生労働省は8日の社会保障審議会医療部会で、全医療機関の管理者（病院長など）が、施設の管理運営権限を持つことを医療法に明記することを提案した。東京女子医科大病院と群馬大医学部附属病院で医療安全上の問題が相次いで発生したことを受けたもので、委員からは、特定機能病院以外にも対象を広げる同省案に対して、「議論もしていないのに決め方が乱暴だ」といった批判が続出し、継続審議となった。【敦賀陽平】

　同省の「大学附属病院等のガバナンスに関する検討会」がまとめた報告書では、医学教育、医学研究、高度医療の3つの使命を持つ大学病院の意思決定が複雑であることを指摘した上で、高度な医療安全管理体制の確保を最優先させることを「すべての議論の出発点」として掲げた。

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