厚生労働省は、社会保障審議会(社保審)の医療保険部会(部会長=遠藤久夫・学習院大教授)が8日に開いた会合で、「入院時生活療養費制度」などの見直しに関する議論の整理案を示し、大筋で了承を得た。同制度をめぐっては、医療区分Ⅱ以上の患者に居住費を負担させるべきという委員が多く、療養病床以外に長期入院する患者に対して負担を求めるべきという意見も出たと明記。ただ、複数の委員が慎重論もあったと記載すべきだと反発したことから、遠藤部会長らが今後、文言の修正を検討することになった。【佐藤貴彦】
入院時生活療養費制度は、療養病床が「住まい」の機能を持っているとして2006年度に導入されたもの。療養病床に入院する65歳以上の患者が対象で、現在、医療の必要性が高いとされる医療区分Ⅱ以上の場合は、一食360円を食事代として自己負担するが、居住費の負担はない。一方、医療区分Ⅰの場合は、一食460円の食事代に加え、一日320円の居住費も負担している。
8日の会合で同省が示した議論の整理案では、医療区分Ⅰの患者が負担する居住費を一日370円に引き上げることや、医療区分Ⅱ・Ⅲの患者にも居住費の負担を導入し、段階的に一日370円を支払わせることなどを求める意見が多かったと明記した。これは、同省が先月末の同部会の会合で示した見直しの具体案 =図= が、多くの委員の支持を得たとする内容だ。
加えて議論の整理案には、療養病床以外の病床でも、患者の入院期間が長い場合に居住費を負担させるべきだという意見があったことも記載した。
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