今年10月から「健康サポート薬局」の届け出がスタートした。24時間対応や服薬情報の一元的・継続的な把握といった「かかりつけ機能」のほか、地域住民の健康維持・増進に日常的に取り組む「健康サポート機能」を備えることで、健康サポート薬局として表示できる。このほど東京都内で薬局関係者を対象に開かれたセミナーでは、健康サポート薬局の今後の展望や薬局を取り巻く経営環境の変化について話し合われた。【烏美紀子】
「薬局の在り方が今、問われている」。
厚生労働省医薬・生活衛生局総務課の安川孝志課長補佐は、健康サポート薬局の制度が創設された背景に、調剤薬局に対する厳しい評価があったことを説明した。
調剤医療費約7兆円のうち、4分の1に当たる約1.8兆円は薬剤師に対する技術料だが、「この報酬に見合った業務を薬局薬剤師はしているのか。調剤に特化した薬局は、患者にとって、単に『薬を渡される場所』にしかなっておらず、医薬分業の効果を感じられるのか―。患者さんがメリットを感じていれば少なかったはずのこうした指摘が、規制改革会議の公開ディスカッションなどで出された」とし、薬剤師の職能を十分に生かした機能が薬局には求められていると述べた。
■「薬局は変わった」と思ってもらえるか
こうした経緯を踏まえて厚労省が示したのが「患者のための薬局ビジョン」だ=「薬剤師はかかりつけ機能を備えてほしい」=。
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