【医療法人社団操仁会岡山第一病院　事務部医事課係長　虫明昌一
　医療法人社団藤田病院　医療ソーシャルワーカー　高橋和志】

　多職種連携の時代に、医療ソーシャルワーカー(MSW)と診療情報管理士(HIM)は、どんな形で連携すればいいのでしょうか。両者の連携が実現すると、何ができるのでしょうか。

　こうした問いを持って私たちは昨年、医療従事者を対象に連携の現状や互いの業務に対する理解度などを尋ねるアンケートを行い、連携の課題や可能性を探ってきました。 前回 、 前々回 とその結果を紹介してきましたが、最終回となる今回は、それらを踏まえ、両者の連携の在り方について改めて考えてみたいと思います。

■MSWとHIMが連携することのメリット

　 アンケート結果で「MSWとHIMが連携することのメリット」として多く聞かれた意見が、「お互いの欠点を補えるのではないか」というものでした。

　MSWは、地域の医療機関や施設と「顔の見える関係」をつくるため、積極的に地域へ足を運ぶことが当たり前となっています。しかし、病院紹介のパンフレットを見せながら概要を説明し、患者紹介をお願いするだけのあいさつ回りでは、効果は少ないでしょう。地域から選ばれる病院になるためには、もっと自院の強みをアピールしていかなければなりません。

　そこでHIMの登場です。

（残り1899字 / 全2447字）