厚生労働省は31日、「医療計画の見直し等に関する検討会」の作業部会の会合で、将来の病床数の必要量(必要病床数)の準備を都市部などで進める方法を提案した。医療計画の中の「基準病床数」より必要病床数が多い地域で、都道府県が人口の変動と合わせて基準病床数を毎年見直すほか、基準病床数の増加を認める「特例」を活用するもので、委員から強い反対意見は出なかった。【佐藤貴彦】
基準病床数は、同省が示す計算式に地域の性別・年齢階級別の人口などを反映させて算出するもので、これまで5年に一度程度のペースで見直されてきた。既存の病床数が基準病床数より多い「病床過剰地域」では、増床に規制がかけられる。
一方、必要病床数は2025年時点のあるべき医療提供体制を示す「地域医療構想」の一部で、同時点の推計人口などを基に算出する。公表された同構想の中に、基準病床数の方が必要病床数よりも少ない地域が見られたことから、病院関係者らからは、基準病床数による規制が必要病床数の準備を妨げるとの指摘も上がっている。
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