26日に東京都内で開催されたスマートヘルスケア協会のシンポジウムでは、厚生労働省医薬・生活衛生局総務課の紀平哲也・医薬情報室長が、薬局と薬剤師の将来像をテーマに講演した。紀平室長は個人的な見解としつつ、診療報酬におけるかかりつけ薬剤師の要件は1つの目安であり、これ以外にも薬局が取り組めることは多いと指摘。また、顧客のニーズに応えていけば、進むべき道はおのずと見えてくると言い、個々の薬局の創意工夫に期待感を示した。【大戸豊】
紀平室長は、なぜ薬剤師が医薬品を売っているのか、一般の人にはその理由が十分伝わっていないと言う。実際、「提供するだけなら誰でもできるのではないか」「ネット販売でも構わないはず」といった声も聞こえてくるという。
医薬品が一般的な商品と大きく異なる点として、副作用が挙げられる。それも想定できるものだけでなく、想定できないものもある。また、薬が効き過ぎたり、逆に効かなかったりすることもある。
紀平室長は、医薬品は見た目だけでは品質や効果の程度も判断できない“ブラックボックス”のような商品であり、きちんと情報提供しなければ正しく使われないため、専門家が介在するのが前提であることを、一般の人にももっと伝えていく必要があるとした。
■学生から薬局実習「がっかり」の声、意識変えていこう
紀平室長は、薬剤師の仕事はこれまで薬を渡して終わりだったが、今後は薬が効いているのか、さらに病気が治ったのかといったところまで、しっかりかかわっていくことが求められるとした。
(残り982字 / 全1646字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】