【社会福祉法人こうほうえん 錦海リハビリテーション病院 副院長 角田賢】
■アウトカム評価より影響が大きい看護必要度の引き上げ
前回は、2016年度診療報酬改定で導入された回復期リハビリテーション病棟におけるアウトカム評価を中心に検討した。ただし今回の改定で、回復期リハ病棟の経営に最も影響するのは、実は、7対1病院における「重症度、医療・看護必要度」(以下、看護必要度)の要件引き上げなどではないかと考えている。
看護必要度の要件クリアが厳しい病院が、病床の一部を回復期リハ病棟や地域包括ケア病棟に転換する動きは14年度改定から見られたが、この春からはより顕著になっているのではないか。地域内の回復期リハ病床数が増えれば、患者の流れが大きく変わる可能性がある。当院でも、紹介元医療機関の一つが回復期リハ病棟を開設したため、その病院からの紹介患者がほぼゼロになった経験がある。
地域包括ケア病棟の増加も、回復期リハ病棟の運営に大きく影響してくるだろう。地域包括ケア病棟で最も多い疾患は、整形外科の術後、骨折後であることが知られているが、一部は回復期リハ病棟の対象疾患と重なる。これまで回復期リハ病棟に患者を紹介する側だった急性期病院が、地域包括ケア病棟を持った途端、患者を奪い合うライバルへと変わってしまう。整形外科疾患の割合の高い回復期リハ病棟ほど、このような影響を受けやすいだろう。
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