【医療法人社団浅ノ川金沢脳神経外科病院 事務部経営企画課課長 川腰晃弘】
今回、多くの病院にとって、最も影響が大きいとみられる新規評価項目「『C項目(手術等)』の新設」と「『救急車搬送後の入院』のA項目への追加」について、その内容や妥当性を、当院のシミュレーション結果に基づいて検証してみる。
■C項目の新設で、基準を満たす患者が2.8倍に増加
まず、「C項目(手術等)」であるが、単純に「手術が多い病院=急性期病院」という考え方は急性期病院の関係者にとって納得しやすいのではないか。ただし、“7対1病棟が急性期医療を担う病棟であり、看護必要度がそれを評価する指標である”とするのなら、これまでの看護必要度の基準は、術後の早期離床の推奨や手術の低侵襲化の流れが考慮されていたとは言い難く、目指す方向(医療の質の向上)と実際の制度は矛盾していたことになる。
当院は脳神経外科専門病院として、頭蓋・脳の手術だけでなく、侵襲性の低い脊椎・脊髄の手術にも積極的に取り組んでいる。=グラフ1=は15年度における7対1病棟に入院した患者の手術実績だが、4分の3は骨(脊椎・脊髄)の手術である。開頭(頭蓋・脳)手術の割合が少ないのは、脳卒中などでは、SCU入院中に手術するケースが多いためである。
次回配信は5月24日5:00を予定しています
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