【株式会社メディサイト代表取締役 勝川ファミリークリニック事務長 松村眞吾】
前回、2016年度診療報酬改定は「かかりつけ」機能の充実により、地域包括ケアシステムの構築を促すものと論じた。評価項目の取得が医療経営にとって大きな課題となっている。
薬局への「かかりつけ薬剤師」導入も注目された。3年以上の勤務経験、24時間対応などを要件に「かかりつけ薬剤師指導料」と「かかりつけ薬剤師包括管理料」が設けられた。多剤併用などの問題解決に貢献することが期待される。
歯科関係でも「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」が新設された。歯科医の複数名配置や訪問歯科診療などが算定要件となっており、歯周病治療終了後のフォローアップなどの包括点数は比較的高い。超高齢化で口腔ケアの重要性は高まっており、医科歯科連携の充実も課題だろう。
前回改定で設けられた地包診を算定しているのは48施設、地包加は3477施設(15年5月診療分)と低調であった。筆者の周辺でも届け出はしたが、算定はしていないところが圧倒的だ。それでも、かかりつけ医の評価は引き上げられた。地域包括ケアシステムの構築は25年に向けた医療制度改革の本丸であり、「かかりつけ」機能の充実はその中心ともいえる。ここは外せないという国のメッセージではないか。
(残り1920字 / 全2587字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】